灰十字 ─ Cros Liath ─


影縫いの針 について


小説未満▲シンドローム作品第2弾 (* ̄ω ̄*)
上級さんに、最後の台詞を言わせたいがために書いたSS。

タイトルの意味としては、そのまんまです。影を縫いつける針。『影』とは、例えでよく使うようなあれです。 昏い過去や感情、苦しみや悪さなどのマイナス的なもので、『針』は、縫い針のイメージのほかに、感覚球の例のトゲ、 胸に痛みをもたらすもの、という意味を込めています。
てゆーか、この話バリバリにネタバレぢゃないですか(笑)

管理人的な妄想では、上級さんは怪我を負ったことを無理してひた隠しにしようとする子供であり、 エラソウで余裕ありげなスタイルの中身は、実際にはまったくその逆で、張り詰めて切れそうな弦であり、 港をなくした船であり……というような、危なっかしいイメージがあります。虚飾の殻のようなものがあるぶん、 主人公くんよりも脆い部分がありそうな気がします。

『バロック』の世界のひとたちは、みんなどこかしらに欠落部分を持っていて、 それを補完しようとしながら生きている感じがしますが、 上級さんもそうで、今以上になにかを失うことについて、過剰なまでの恐れや苦痛を感じるのではないかと考えます。 本文のなかで上級さんは矛盾じみた台詞を言ったりなどしてますが、それは自嘲の意味を込めた皮肉であり、 苦しみの具現であったりするのです。

こういう、上級さんみたいなひとは、相思相愛の関係や、心を許せるような人間関係を築くのが大変っぽいですが、 それを得ることができると、メンタリティがかなり変わるんじゃないかな。(管理人もそんな感ぢ・笑)

天導さんに関しては、母親のように、姉のように、恋人のように……という感じで(byときめき某……懐かしいなぁ。 ハギワラよりもこちらが先なんですよ、ってまたマニアックなことを・笑)、心の距離が近づいたのではないでしょうか。

失ってから思い知ると言うパターンがいいですねぇ。重なりそうで重ならない関係って、ドラマチックでツボです *o( ̄▽ ̄)

前置きがえらく長いんですけど(笑)、今回の話では、その『思い知る』という部分が書きたかったのです。 自分のしてきたことや、関係を思い知る。

(20030206 本文UP/20030211 解説UP)



了


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