について
小説というには足りないものの多過ぎる話です ( ̄▽ ̄)
兄さんの、埋めようのない、静かな孤独感を書きたかっただけのもので、
雰囲気を感じていただければもう満足という、そんな小話。
『対』と『終』を掛けてます。これが自分のいちばん好きな点(笑)
兄さんの孤独感には、当サイト 『歪的詩歌』の 解説でも書きましたが、弟くんに対する愛情や、心の闇といったものも含まれていて、兄さんは、 弟くんよりも危うい立場にあったのではないのかな、と思ったのです。心臓を持っていないという、 人間として(生き物として)の自分を、ともすれば頭から否定されてしまいそうな状態で、 どういうことを考えながら、弟くんの隣で生きてきたのだろうかと考えました。
いちばん書きたかったのは、最後のくだりです。『そうじゃないと、ぼくは。』の部分に、 このストーリイの意味が詰まっています。小説を書くのはイラストよりダメダメというわたくし管理人が(笑)、 Web上に掲載するという暴挙に出たのは、これを活かしたいがため、とも言えます。
ここから、ゲーム中の兄さんへと繋がってゆくわけですよ。「ぼくの心臓を返せ〜」(笑)
兄さんは様々な想いを抱えたまま死ぬことになってしまい、言ってみれば、浮かばれていない(管理人的見解)。
感情のなかでは、傷や曇りとなって残ってしまう恨みつらみや哀しみのほうが、
喜びなどのプラス感情よりも強いものだと思うので、兄さんも、そうしたマイナス感情に捕われていたのでは。
それが、何年も経たあとで、ようやく少しずつ昇華されてゆく。こう考えると哀しいね、兄さん……
行き場の無い不安や恐れ。底の深いところにある感情の発露。
それを、淡々とした切り口で、書いてみたかったのです。
(20020215 本文UP/20020512 解説UP)