かけらを拾い集めている
そっとやさしく摘んでも
ときにぼくを傷つける

傷から血が出ることがある
古傷が開いたかのように
胸に受けた痛みと一緒に

どうして一緒に生きられない
ぼくらはふたりでひとつだった
ふたりだからひとりでいられた

あの日に帰れたとしても
また間違うのはなぜだろう
繰り返すことこそがぼくの罪

かけらは眩しく魅了する
微笑みかけてくるように
胸を包み込むように

ぼくはなぜいまひとりなのか
いつでもふたり並んでいたのに
何度も裂かれる ひどい罰

奇妙な形の高い塔から
あの日身を投げたのはどっち
ぼくだけが知る深い罪

解放してくれるなら
ぼくはなにをも厭わない
助けを乞う手に誰か気づいて

かけらを拾い集めているよ
傷を受けながらもひとつずつ
どれもが大事な記憶だから

つい陳腐なことを思ってしまうよ
翼が本物だったらってね
命尽きるまで飛んでいきたい

ああぼくは
生きる証のこの血とともに
空虚な廃墟に今日も向かうよ

砕けたきみとの時間を集めて
暗い穴を埋めていくため

ぼくだけが知る
きみとの時間の結晶と
罪の記憶を補完するため




灰十字 ─ Cros Liath ─ 管理人、双星 "ミァハ" たかはる

20160514


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